甘い媚薬はPoison
「仕事が急がしいみたいですぐに帰ったけどね。元気になったらちゃんと蓮くんにお礼言うのよ。何か食べる?」
「……いらない。食欲ない」
夢と同じような言葉を繰り返す。
「それじゃあ薬も飲めないわよ。プリンだったら食べる?蓮くんがくれたのよ」
「蓮くん……プリンも買ってきたの?」
私の言葉に母はニッコリ笑って頷く。
「ほんと、蓮くんはあんたに甘いわね。あんたが熱出す度にプリン買ってきてくれるんだもの」
「甘くなんてないよ。会社では厳しいし」
恨みがましい口調で私は母の言葉を否定する。
「当たり前でしょう?仕事だもの。それに、幼馴染みだからってひいきは出来ないわよ。他に社員がいるんだから」
「……そんなのわかってる」
会社でも私だけを見て欲しいって思ってた私が子供だっただけ。
「プリン取ってくるわね」
母がプリンを取りに戻ると、私はベッドの近くに置いてあったバッグを手に取りスマホを取り出した。
じっとスマホを眺める。
蓮くんから連絡きたんだろうか?
確かめるのが怖いけど……凄く気になる。
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