未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。



夜中に、俺は自宅でパソコンを使ってビラを作っていた。


普段からあまり使い慣れていないのでなかなか思うようにいかない。


大きく伸びをして首を回した。



「ふう……」



思わずため息が出る。
一体、今日だけで何度目だろう。



今日病院で、俺達家族だけに知らされて、咲雪には知らされなかったことがある。


それは、今現在、日本も含め、東アジアとアメリカの骨髄バンクに登録している人の中には咲雪に骨髄を提供できる人がいないという事実だ。



咲雪が白血病だとわかって、咲雪に移植できる型の骨髄を捜し始めた時からある程度は覚悟はしていた。


血縁関係にない人間で同じ型の骨髄を持つ人間は数万人に一人ぐらいの割合でしかいないということは、以前に堤先生から聞いていたからだ。



それでも、この骨髄移植という方法にかなり期待していただけに俺達家族の落胆は大きかった。

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