未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。

咲雪がうちに来てから、俺の妹になってから十七年。

咲雪はほとんど病気もせずに大きくなった。


そして、ずっと咲雪の成長を見てきた俺ですら時々ドキッとするほどきれいになった。


でも、血は繋がっていなくても、俺は咲雪の兄だ。

それ以上でもなければそれ以下でもない。
そして、俺はそれ以外になる気もない。


兄の俺に出来るのは、常に少し離れたところから咲雪を見守ってやることだけだ。





ふと気がつくと、手が自分の意思とは関係無しに自動的に動いて、いつの間にやら食器を全部洗い終えていた。


あれ、いつの間に…………。


完全に上の空だったから心配になって洗い終えたものをチェックしてみたが、ちゃんと洗えているようだ。


習慣とは恐ろしいものである。



俺は濡れた手を拭って、まだ父と咲雪のことを話している母の方に向き直った。



「母さん、仕事しなくていいの?明後日も咲雪を病院に連れて行くんだろ?」

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