未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。

「咲雪……よく頑張ったな。つらかったな……。でも、そんなのを全然表に出さないでこんなに幸せそうな死に顔をして……。

こんな、こんな眠ってるみたいな顔されたら、こっちの方が、泣きたくなるじゃ……ないか……」
 

圭祐の目からはぼろぼろと大粒の涙が溢れてきた。


握り締めたこぶしでベッドを思い切り叩いて慟哭する圭祐。


圭祐の悲痛な叫びがICU全体を震わせた。


周りを見回すと、全員が泣き崩れている。





ただ一人、咲雪だけが、幸せそうな笑みを浮かべていた。



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