未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。

俺は立ち上がり、悠聖と正面で向かい合う。


「……悠聖、俺は咲雪の兄として礼を言うよ。お前と付き合ってたおかげで、咲雪、最期まで本当に幸せだった。……死に顔も、すごく幸せそうだった。
まるで、いい夢を見てるような、そんな笑顔だった」


咲雪の死に顔がまぶたの裏に浮かんでくる。



「確かに、すごく短い人生だったけど、それでも咲雪はすごく幸せだったと思う。
……お前がいてくれたから。

だから悠聖、本当にありがとう」


また泣きそうになりながら、悠聖に頭を下げた。





しばらくして、悠聖が泣き腫らした目で俺を見上げてきた。



「なあ圭祐、死後の世界ってあると思うか?
咲雪が、俺達のことを見守ってくれてるってことがあると思うか?」


「……わからない。俺にはわからないよ。
でも、俺達が生きてる限り、咲雪も俺達の心の中でずっと生き続けるんだと思う。

そうじゃないか?」
 
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