未来(あした)が来るなら、ずっとそばで笑ってて。

「だから、その可能性を否定するために、明後日、中央病院に行くんじゃないの」



考えるより先に頭が理解していた。

ああ、何か重い病気の可能性があるんだなって。



「だったら、俺も行く」


「馬鹿なこと言わないで。圭祐が行ってどうするの?かえって話を大きくするだけしゃないの‼あくまで可能性なんだからね」


「二人とも、声が大きい」



お父さんにたしなめられてお兄ちゃんとお母さんは一瞬口をつぐむ。そして、お兄ちゃんは声を落として言った。



「で、どうするんだよ?咲雪には話すのか?」


「今は言わない方がいいでしょ。正式に検査の結果が出てから、また考えよ」


「わかった……」



話が途切れ、お兄ちゃんが椅子から立ち上がる気配がする。


あたしは、たった今電話が終わった風を装ってドアを開けて中に入った。

一瞬ぎょっとした表情をするみんな。

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