【続】Slow Magic~その後の2人~
俺は思い出す。
前にもあったな、こんなこと…
なーんて、冷静に思い出したりして。
高校時代好きだった鈴子と電話で話していたら、美亜が家を出て行った。
あの時、美亜がどれだけ大事なのか、俺は気付いたんだっけ。
…って、こんなこと考えてる場合じゃねーだろ。
早く追いかけないと。
足がもつれて靴がはけない。
階段を降りた時には、美亜の姿はどこにもなかった。
電話をしても、取ってくれなかった。
いじわるも度を過ぎたら、傷付けるんだな。
俺は、美亜を探しながら自分の言動を反省していた。
タバコがまずい。
歩道橋から、車のバックライトを眺めながら、
俺はそばにいない美亜に語りかけた。
「ごめんな。これからは優しくするから。」