信じることを諦めた少女の生きた道
「なぁ、俺らは死体回収者かなんかかよ!!」

1人の男があたりに散らばっている死体を見て叫ぶ

「最近多いよなぁ…」



「しんぱっつぁん、そんなカリカリすんなって」


それに賛成する男と叫ぶ男をしずめようとする背の小さい男。

「だからってよ…」

彼らは新選組だ。
新選組は最近ある事件に困り果てていた。

その事件は日に日に町に、例えば道のど真ん中に、または人の通らぬような場所に…男達の死体があるという事だ。



勿論それに新選組は関係ない…のだが新選組に課せられた仕事はそれらで出た死体をすみやかに片付けること。
そして男らを殺した犯人を見つけ出すという事だ


「それより…こんなに大人数を殺して回る人間が…めんどくさい事にならないといいけどねぇ」


クスッと、言葉とは裏腹に楽しそうに笑う男…


「……たのしむことではないぞ…沖田」


「えぇ?一くんは興味わかないの〜?」


「…死体を回収しろなど……本来なら俺達の仕事ではない…」


沖田と呼ばれた男の問いかけに表情は無表情で読み取りにくいが声からキレていると分かるように答える斎藤と呼ばれた男。



気づいたであろうか。
この事件の犯人は夕桜である……
だが夕桜はわざと殺している訳ではない。



ただたんに町中などを歩いていると男らに声をかけられては誘いを断る…を続けていたのだが毎回声をかけてきた男らがそんな夕桜にキレて刀で襲いかかってくる。



だからそれを避けたりしていたのだが、あまりにもしつこい男達が、時たまいるので仕方なく殺してしまうのだ。


夕桜は知らない。
新選組が自身を…この事件の犯人を探していることを…
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