進メ!





――パァンッ!


部屋に入った瞬間、私達の鼓膜に乾いた破裂音が響いた。


目に入るのは、揺れる錆色のサンドバッグと、見覚えのある黒髪の影。


影は鋭い動きでボクシンググローブに包まれた拳を放ち、何度もサンドバッグに叩き付ける。


吊り下げられた砂袋からは痛々しい音が鳴り、天井と袋をつなぐ鎖からは、キィキィと悲鳴のような音がした。





< 44 / 71 >

この作品をシェア

pagetop