進メ!




心の中で思わず突っ込むが、口には出ない。


もの凄く不機嫌そうな威圧感が、私の後ろから立昇っている。



最早、殺気の領域だと思うんですけど!



「おい、どこ向いてんだ。俺に用があるのはお前だろ」



いきなり、ぐっ、と私の耳が掴まれて、ぐいっ、と後ろに引っ張られる。


流石に抵抗できず、振り向かざるをえない。




後ろを向くと、赤みがかった金の目と、私の目があった。




獲物を前にした肉食獣のような瞳だった。






< 55 / 71 >

この作品をシェア

pagetop