フェアリーテイルを夢見てる
なのでこのままここで一生暮らし続ける確率が高いのではないかと私は思ったのです。

ずっと独身なら一軒家よりも、管理人付きのお部屋の方が何かと便利で安心ですし、忙しい仕事の合間に一から物件選びをするのはとても大変ですものね。

それに、巧さんがそのような提案をしたのは妹さんの身を案じたのはもちろんの事と思いますが、ここでの暮らしがとても快適で、手放すのが惜しくなったからなのではないかと推測します。

ただ、唯一の問題は、このお部屋を買い取る際のお値段がどうなるか、ということなのですが。

いくら巧さんが弁護士で同年代の方の平均年収を大幅に上回っているとはいえ、世界に土地建物を所有している不動産会社の会長さんだった方と比べたら貯蓄額にはやはり大きな開きがあり、住居に費やせる金額にも差が生じます。

親族という事で、相場よりはお安く譲っていただける可能性もありますが、値引き額には限度というものがありますし、そもそも巧さん自身があまりにも優遇され過ぎだと感じたらそこは辞退すると思うのです。

「きちんと査定した結果の値段で売って下さい」と。

親しき仲にも礼儀ありと言いますからね。

なので中々の金額になってしまう事が予想されるのですが、ただ、建物というのは年数が経過するに従い徐々に価値が下がって行くものらしいので、そのうち巧さんが「これなら自分でも何とか手が出せる」と思える時が来ることでしょう。
< 35 / 75 >

この作品をシェア

pagetop