一番星シリーズ~おまけSS
蒼ちゃんの車に乗り込んで向かった先は、海。



「寒っ」


「そりゃそーだろ。真冬の海に行きたいなんて言うのはすずだけだろうな」



蒼ちゃんはそう言うけれど、あたしは真冬の海が好き。


確かに寒いし、こんなところに来たい人なんていないのかもしれない。


それでもあたしにとっては特別な場所だから。



「蒼ちゃんはきっとこの場所だったってことは忘れてるもんね」



蒼ちゃんにも聞こえないくらいの小さな声でぼそりと呟く。


それでもあたしの中ではとても幸せな思い出だから、大切にしたいんだ。
< 53 / 99 >

この作品をシェア

pagetop