一番星シリーズ~おまけSS
普段よりも何倍もの防寒具を着込んで海辺へと近づいていく。


冷たい風が潮の香りを運んできて、思わずすーっと息を吸い込む。


寒いけれど心地いい、そんな気分だ。


先に歩き始めたあたしにすぐに追い付いてきた蒼ちゃんは、自然とあたしの手を握ってくる。


寒さ対策で手袋を嵌めていたけれど、蒼ちゃんが手を繋いでくれるなら手袋なんてつけなければよかった!


そう思ったらすぐに行動にうつしてしまうのがあたしで。


たった今握ってきた手を離して、手袋を脱ぐ。


そして今度は指を絡めるようにして蒼ちゃんの手を握った。
< 54 / 99 >

この作品をシェア

pagetop