となりのお兄さん

Azusa side

俺を送っている最中、綾音はぽけぇ・・・とした顔をしていた。というか現在進行形でしている。

さっきから聡さんって人に話を振られても「あ、はいぃ」と言って笑うだけだ。
完全に上の空、さっきの俺の言葉をだいぶ気にとめてるみたいだ。

「あ、ここなんで。」

俺が一つの家の前で止まると
綾音はそうなの?はやい!と言う。
いや、早くねぇし、結構歩いたぞ?本当に気にとめすぎだからな。

「じゃあ、梓くんおやすみ。」

「あ、はい。おやすみです。」

「ばいばい!梓くん!」

「おう、また学校でな。」

こうして2人と別れた。

俺はふたりが見えなくなると俺の家の向かいの家のインターホンを押す。

「はいはい。」
と、真希が出てくる。

「入れろ。」

「はぁ?こっちは病人・・・ってなんで制服なの・・・」

と、不機嫌な顔で聞いて来るので「いろいろあんだよ。」と言う。
真希は、リビングまで通してくれ、俺はソファに座る

真希は、前の椅子に座って、で?何?と聞いてきた。

俺は今日不思議に思ったことを言う。
胸がチクチクしたこととか色々だ。
すると、真希は大笑いし始めた。お腹まで抱え始める

「おい、何笑ってんだ!」

「ふふっ、いや、面白すぎでしょ・・・あははっ!!」

すげぇ腹がたつ、何で笑ってんのかわかんねぇし、笑い事じゃない。なにかの病気かもしれねぇのに!

「あんた、綾音のこと好きなのよ・・・あっはは!」

は?俺が綾音のこと好き?
んなわけねぇじゃん?出会って数日だぞ?

「あんたさ?毎回学校で絡んでくる時綾音がいる時だったじゃん?気付いてないの?」

そういえば、そうだな。
おれは、知らない内に好きになってたのか・・・?
こりゃあケッサクだな。恋愛乗ってたのにその相手を好きになってるなんてな。

「ふふっ、あははっ!おかしいったらもー!」

と、ずっと笑っている。
なにが可笑しいんだよ!と聞くと

「どうせ、綾音の好きなところ笑顔だっていうんでしょー?」


と、言った。
あたりだ、エスパーかよ
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