第1章




「美桜、ずっと俺のそばにいろ」


「美桜ちゃん、寒くない?」


「みーちゃん!トランプしよー!」


「みおー、勉強おしえて?」


「みおなら平気。」





みんなからかけられる優しい言葉。


この時の私は、幸せだった。


あの日、あの子が来るまでは。



「お前の居場所はここにはない。」


「裏切り者は必要ないよ?」


「てめぇ、二度と俺らの前に現れるな」


「お前、最低だな」


「女なんて信用した俺がバカだった。」



もう、以前のようには戻れない。


思えばあんなにも分かりやすくサインは出てたのに


あの頃の私は幸せ過ぎて周りが見えていなかった。




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