恋せぬ王子と恋する少女
過去

「これはね、ちょうど私とひかるくんが出会う前で、中3の終わり頃の話なんだけど…」


そういうと、結衣と隼人は真剣な顔で聞いた


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「一緒に帰るか」


そう言って女の子に話しかけたのは中学3年生の時のひかるだった。

そして声をかけられた女の子が、ひかるの彼女だった朝倉 陽菜(あさくら ひな)だ。


「うん、帰る!」


陽菜は身長も低く明るく、まさに可愛らしいという感じの女の子。
そんなところに惚れたひかるが陽菜に告白をして付き合った。


「そういやさ、駅前にクレープ屋とかできたらしいけど行く?」

そうひかるが聞くと、


「行きたいっ!! でも、ひかるのおごりじゃなきゃ行かない!!!」


陽菜はひかるも押される元気さだった。


「ねーね! ひかるはどこの高校受けるっ?」


「ん? どこでもいいだろ別に」


相変わらず対応が冷たかったひかる。
だが、陽菜の性格が明るいため2人の相性は周りから見てもぴったりだった。


「聞きたいの! 同じとこがいいし!」


「お前の頭じゃ俺と同じところは無理だろ」


ひかるは頭がいいが、陽菜は中の下くらいだ


「ひかるが勉強教えてくれるもん!」


陽菜は別々の高校になったら別れてしまうかもと心配だった。


「わかったよ、教えてやる」


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「そんな感じでほんとに仲が良かったんだって」

と、ここまで雅は説明した。


「へー、いいカップルだな」

「うん、私も憧れるかも!」


隼人と結衣にも好評だった。


そして雅は話をまた続けた。







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