溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

無情にも、ドアをノックする音が部屋に響き渡った。
慌てて美緒奈から離れ、さも打ち合わせをしていたかのようにふたり揃ってソファに向かい合って座る。

それと同時に、秘書の柳川さんが入ってきた。
彼女が一礼して顔を上げる。


「芹川副社長、お約束のお客様がお見えになりましたが、いかがいたしましょうか」

「通してください」


そう答える俺の前で、美緒奈は笑いを堪えるようにしていた。


「では、上川さん、また引き続きよろしくお願いします」

「かしこまりました」


美緒奈は頭を下げ、甘い余韻を残して副社長室を出ていった。
その後ろ姿を見つめていると、柳川さんが軽く咳払いをする。


「副社長、唇をお拭きになったほうがよろしいかもしれません」


唐突に言われてギクリとする。

ハッとして彼女を見ると、意味深な眼差しを俺に向けながら、デスクにあったティッシュペーパーを差し出した。

無様に焦りながらそれを一枚抜き取り、唇を拭う。
ピンクのルージュが薄っすらと付いた。


「このことは決して口外いたしません」


柳川さんに弱みを握られた瞬間だった。


-番外編①END―

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