秘密の交換をしよう
「ごめん、忘れて。無理に聞きたいわけじゃないから」
香織ちゃんは私から離れていこうとした。
その後ろ姿を見て、咄嗟に腕を掴んだ。
「……香織ちゃん、放課後時間ある?」
香織ちゃんにあんなに心配してもらってるのに、それでもなにも言わないのは、もうしわけなく思った。
「あるよ」
放課後、香織ちゃんを路地裏に連れていった。
「ここ、は……?」
香織ちゃんは目を見開いていた。
「ここが今の私の家。親と喧嘩して、家飛び出しちゃって。それでここに」
この期に及んで、まだ嘘つくんだなって、自分でも思った。
でも、これ以上下手に心配をかけたくなかった。
「……よし、じゃあ荷物まとめよう」
香織ちゃんは少ししかなかったけど、私の荷物をまとめて、持った。