秘密の交換をしよう
「凛ちゃんがまた来てくれるまでに、材料そろえとくから」
「いいですよ、自分で買ってきます」
「でも、僕が作ってもらおうとしてるんだから、僕が買いに行くよ」
「料理しない人に、任せたくない……あ」
素直に言い返してしまった。
そう言って気付いたのも遅くって、ハルさんはクスクスと笑っていた。
「だったら、一緒に買いに行こっか。二人が嫌なら、上村さんとか呼んでもいいし」
「いいんですか?」
「凛ちゃんの友人だから、特別」
「なら、わかりました」
一人じゃなくていいって聞いたら、なぜかホッとした。
だから、こう言ったとき、笑顔を見せることが出来た。
「僕は凛ちゃん一人がいいんだけどね」
「なにか言いましたか?」
「ううん、なんでもない」
確かになにか言ったと思ったんだけど、はぐらかされてしまった。
おまけに、あの胡散臭い微笑みまで向けられた。