嵐王
『だから…あの時はそうするしか……。』
「信歩は黙ってて下さい。」
有無を言わせない口調に黙ってしまう。
「…お前の言う通りだ。」
俯いた棗が苦しそうに話す。
「逃がす方法なんて考えれば幾らでもあった。
それなのに俺は…あんな状況になるまで
お前を、信歩を手放せなかったッ!」
『棗…。』
「その結果、一生消えない傷を付けた。
本当に…ッ…すまない!!」
頭を下げて謝る『朱雀』を見て、涙が出た。