ヴァンパイアキッス
あたりに響く銃の音が鳴るとともにあたしは倒れ込んだ。





『っ』












な、に?



『羅稀っ!』








あたしの上に覆い被さるように倒れる羅稀の姿があった。





『…!?』



「へぇ、高校生のフリをして紛れ込んでたのか、」




目の前には銃やら鉄砲やら武器を持った人たちがたくさんいた。







「自分から死ぬか殺されるか選択肢をやろう」



『どうして……っ!あたしは人間と等しい生活をしてきたわ、今まで。これからも人間として生きていきたい。』


「はっ……。何を言ってんだこの化け物が!!昔はお前達化け物のせいでめちゃくちゃな世界だったんだ。愛する人を失った人なんか数え切れないほどいる。今も苦しめられている人だっているんだ。」









『なら、あたしたちは生きる権利がないというの?』
「あぁ。これで化け物のいない世界が終わるんだ。また繁殖されちゃー困る。その前に殺るんだ。」





そんなの、おかしい。



なんて思っていたけどあたしは吸血鬼という存在。


これまでいくらほどの人を傷付け殺したのか...。
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