癒しの田中さんとカフェのまみちゃん
カフェのまみちゃん=(イコール)白石真美奈~side Satoshi
「おい、小林、このマニュアルの翻訳したのは誰だ?」

「はい、白石真美奈という翻訳者です。
テクニカル系の翻訳者を探していたのですが、
捕まらず、人づてに彼女にしたのですが、
何か問題がありましたか?」

「いや。きちんとした仕事をしてくれているようだ。」

よく、文には人柄が出るといわれる。
この翻訳をしたのはどんな人なのだろう。
うちから依頼した仕事だが、この翻訳者に会ってみたくなった。

俺はアメリカの大学でコンピュータに関する知識を学んできている。
今回のこの仕事もはじめから俺がやれば、的確に訳せるだろう。
しかし、社長業もある俺にとっては時間がない。
部下の小林の勧めもあり、外部に英訳を依頼し、
最終稿を俺が仕上げることになった。

白石なる人物の仕事は、いくつかの手直しが必要だった。
それは彼女がこの製品に対する理解が乏しいからである。
文そのものには問題なく、むしろ俺と似た言語感覚だった。

「なぁ、小林。例の仕事も彼女に依頼したらどうだろうか。」

「まぁ、確かにプロの翻訳者だと単価もそうですが、
翻訳ソフトの開発は自分の首を絞めることになると思って
引き受けないでしょうね。彼女もどうだか…。」

「悪いが、彼女とコンタクトをとってくれないか。
直接、話がしてみたい。そうだ、小林、この人の履歴書あるか?」

「はい、ございます。こちらです。」
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