癒しの田中さんとカフェのまみちゃん

お父様はこの質問で私がどれだけ悟さんのことを
知っているのか試したのかもしれない。

「まぁ、少しずつわかってもらえると嬉しい。
付き合いが始まったばかりとは言え、
悟にとって君が特別であることには変わりない。
これからも悟のことを頼むよ。」

お父様がそうおっしゃったとたんに
バタンと勢いよく宿直室のドアが開いた。

「親父、どういうことだ。」

悟さんが怒鳴り込んできた。

「俺は何もしておらん。
まみちゃんにお前のことを支えてほしいと
お願いしただけだ。
俺の口からそれ以上のことは何も言っておらん。」

「わかった。とにかく真美奈は、連れていく。」

そういって、私の手を掴み、
管理室の外へ連れ出そうとした。悟さんに引っ張られながら

「失礼します。」

とお父様と半井さんに挨拶をするのが精いっぱいだった。