自殺カタログ
「って言っても、お菓子を買って食べてるだけの同好会なんだけどな」


「そうなんだ。でもそういうのって羨ましいなぁ」


自分の好きなお菓子を研究するサークルなんて、とっても楽しそうだ。


友達同士でお菓子の情報交換なんかもやってみたい。


「じゃぁ、今度さぁ――」


晃紀が何か言いかけた時、教室のドアが開いた。


その瞬間教室内が静かになる。


視線を向けてみると、ドアの前にアンミと龍輝の2人が立っていた。


月乃の姿はないが、アンミたちのいやらしい笑顔を見ると何が起こっていたのか安易に想像できた。


あたしは素早く理央を視線を交わした。


「ごめん晃紀。話はまた今度ね」


あたしはそう言うと、理央と2人で教室を出たのだった。
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