自殺カタログ
あたしがそう言うと、アンミはサッと青ざめた。


まだ無駄なプライドでも持っているようだ。


「でも、あれは……」


「だめだよアンミ。アンミは正真正銘のイジメられっ子なんだから、同じようにしなきゃ」


そう言うと、アンミは青ざめた顔のまま机の前に立った。


そうそう。


あたしの机をトイレに隠した後、アンミはあたしに土下座させたんだよね。


トイレの床にオデコをピッタリくっつけてさ、何もしてないのに『ごめんなさい』を100回も言わされたんだ。


思い出すと怒りがこみあげて来る。


そしてあの頃と同じように土下座をするアンミを見て、体の芯がゾクゾクと震えた。
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