自殺カタログ
1人が興奮気味にそう言って来たのだ。


あたしは驚いて彼女を見る。


おかっぱ頭で、手にはSF小説を握りしめている。


「そう……なんだ?」


「そうだよ。カナは子供頃から霊感があるの。だからあたしたちは、そういう力も信じてる」


名前はカナというらしい。


目だたな過ぎて覚えていなかった。


「へ、へぇ……」


「ねぇ、予知夢ができるってことはこれから先3組で起こる出来事もわかるってこと?」


そう聞かれてあたしは少し考える素振りをしてみせた。


「全部がわかるってワケじゃないよ? でもほら、人の死に関することが時々夢に現れるの」


「あぁ、あるある!」


カナが何度も頷いて同意して来る。
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