恋と魔術
No.1 過去
過去
ぱちりと目を開ければ、そこには昔の光景が写っていた。
夢だと分かっていても、少しの興味があって起きることも出来なかった。
どうせなら、と私はあの時の思い出を心に映した。

4年前の話。
私は当時6年生で、2個年上の先輩の事が気になっていた。
と言っても、一度告ってフラれている・・・
もうあきらめよう、そう考えふっきった2週間後の事だった。


眠気と朝の日差し
体を起こすと、空いていた窓からさーっと風が入ってきた。
カーテンもそれにつられてなびいている。
いつもの朝。いつもと同じのはずなのに・・・
なんで机の上にタマゴが置いてあるの!?
がばっと布団を体からはぐと私は机に突進した。
勉強机の上に置かれていたのは、カラフルに色が塗ってある卵だった。
「たっ・・・たまごだ・・・!?」
目の前に置かれている卵の隣には、指輪~リング~が置いてあった。
それは言葉に表せないほど、美しい輝きをしていた。
私の知っている限りでは、サファイア、そしてダイヤモンドが付いていた。
指輪をどかしてわかったのだが、指輪の下に紙がおいてあった。
『親愛なるあなたへ。
あなたは神師としての資格、そして技能があります
それを機にし、なり玉12個をプレゼント致します。
その指輪は、左手の薬指にはめて下さい
理由はいずれわかります。
それでは。またお伺いします。by白ウサギ』
・・・白ウサギ?神師?状況は飲み込めないけれど
この卵・・・いや、玉子の名前はわかった。
なりたまっていうんだ。へぇ。
困惑しながらも、私は指輪を薬指にはめた。まさに、その瞬間だった。
(いや、冗談ぬきで、本当に瞬間だったの。一瞬だったんだって。ねえ)
指輪がひかり、玉子がふわっとひとつ浮かんだ。
その中から声がした。
『もう・・・どなたですか?私の玉子の封印を解いたのは。』
出てきたのは私と同じくらいの背丈、年齢の女の子。
一つだけ違うと思ったのは、彼女の服が巫女服だったところだ。
「え・・・白の巫女!?」
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