ふたりぼっち
「まずは、この1階からね」


玄関から真っ直ぐに伸びた廊下をペタペタと歩いていく。

秋ならではの、切なさを孕んだしんみりとした空気が家全体を包んでいる。


「電話は繋がるのかしら……」


そう思い、先程までいたリビングまで戻る。


連絡手段がないかリビングを物色し始めた。

「電話は……ないみたいね。」

1人そう呟き、ガックリと肩を落とす。



でも、まだ諦めてはいけない。

今はまだ朝だ、時間ならたっぷりある。


「はぁ。誰もいない家というのはこんなに寂しく、不気味なものなの……? 」

物音一つしない、誰もいない空間。

「だめだめ、挫けたら負けだ」


私は気を取り直し、今度は窓がないか調べ始めた…… ー。
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