ふたりぼっち
壮大に広がる、海と砂浜だった。


寄せては引く波の音が、微かに聞こえてくる。


なんとこの家は、崖の上に建ててあったのだ。


周りに民家は見えるがそれらは遠く離れた場所にあり、ここから叫んでも到底聞こえないことは確かだった。

「そん、な……っ……」

私は眩暈に襲われ、ぺたりとそのままベランダに崩れ落ちる。




「どうして、……。ここから本当に私は、脱出することはできないの……? 明日私は、殺されてしまうの……? 」


お願い、神様。


私を、ここから出してよっ……。

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