ふたりぼっち
今日の君に、「はじめまして」

act.7 忘れられた誘拐犯

***



「おーい、高瀬! この書類、契約会社にFAXしといてくれ! 」

「はい、分かりました! 」


いつもの社内風景、いつものデスク。

俺の名前は、高瀬 明彦。

某大手企業で働いている、27歳の社会人だ。


そして、俺には愛する妻がいる。


妻の名前は、高瀬 春。


旧姓、鮎川 春だ。


俺とハルは、出会ってからすぐに籍を入れたスピード婚だった。


何も結婚に投げやりだった訳じゃない。


それ程お互いに、深く愛し合っていたんだ。

本気でハルを愛し、ハルも本気で俺を愛してくれた。




ー ……『アキ、大好きっ。結婚したら、アキと毎日一緒にいれるなんて幸せだよ』

『あぁ、俺もそう思うよ』

『ふふっ』…… ー


結婚当初……あの頃は、幸せの絶頂だった。
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