キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
もうちょっと色気を抑えてくれないと目に毒だ。心臓の鼓動がバクバクうるさい。
その音をごまかすように大きめの声で話しかける。
「あ、碧音君、美和ちゃん達との練習もあるけどクラスの出し物の準備も毎日してるんだよね?当日碧音君のクラスは何するの?」
「事前準備はそんなにない。当日勝負っつーか」
微妙に言葉を濁す。事前準備はなしってことはお化け屋敷系ではないよね。当日に体を張る内容なのか?
「気になる!体力勝負?パフォーマンスするの?」
「……そんなとこ。お前は?」
「うちはね、プラネタリウム!」
「プラネタリウム?教室で?」
「うん。教室中を暗幕で真っ暗な状態にして、段ボールで作った星を映し出す装置を使うんだ。最近流行ってるじゃん?お家で簡単プラネタリウムとか」
「へぇ……面白そう」
碧音君が興味を持つなんて珍しい。もしかしたら星とか好きなのかな。また新しい一面を知ることができた。
「桐谷君と来てね。あ、でも軽音のステージもあるしクラスのやつもあるんじゃ忙しいか」