キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】
そんなこと言われても、悲しくなっちゃったんだもん。
「藍、辛かったら私にその気持ち吐き出して。“俺のせいだ”って、自分を追い詰めないでお願い」
藍は他人を優先するから。自分は二の次で。
「藍は頑張ってる。だからお母さんやお父さんとも関係が良くなってきてるんだよ。前に進めてる」
「……ん」
「弟君も、昔は藍が大好きだった記憶があるから苦しんでるかもしれない。裏を返せば藍を完全に嫌いにはなれてないってこと」
「そうだといいな」
クシャリ、無理に笑って私の頬に残る涙の跡を指で拭った。
「藍には私がいるよ。私が支える」
そのために、私は藍の傍にいるんだ。
「春、ありがと」
「お礼なんていいよ」
弟君の気持ちを分かってあげられるのは、藍だけだから。
いつか一緒に笑い合える日がくるって、信じてるよ。