朧咲夜ー真相ー【完】
「……ねえ、僕らの認識は共通してたよね?」
「うん?」
流夜は続きを促すように吹雪を見て来た。
「生きるために殺すのは殺人犯。――殺すために生きているのは、殺人鬼」
「………」
「……殺人鬼は、厄介だね。……もう、咲桜がいるお前には心配ないだろうけど――堕ちるなよ。絶対に」
吹雪は険しい目線で応じる。
「……そういう心配は鬱陶しい」
「ごめんね。でも、お前の周りの何人かは、してるでしょ。そういう心配」
「……だから、俺はここにいるんだろうが」
こちら側に。
物言う流夜の目線を受けて、吹雪は苦笑した。
「そうだね。……ああ、それで在義さんは言ったのかな。『咲桜がいるんだから、もう心配していない。そろそろ人間になれ』って」