朧咲夜ー真相ー【完】
在義の家が分家とは知っていたけど、流夜の言いようでは在義は本家出身ということなのだろう。
「なんだ? その反応」
「いやー……天龍の『華取』は知ってるんだけどね? なんか……納得しちゃった」
だから、在義はああなのか、と。
「納得? 何か知ってるんだな?」
この様子では、天龍の華取本家が、一族ごと亡いなった理由を流夜は知らないのだろう。
「うん。……華取ってのは陰陽術系の一族。それが全滅したのは、次期当主とされていた嫡男に火を放たれて、一族ごと、家ごと、本家ごと――燃やし尽くされたからなんだ」
「……息子が、一族殺しをしたのか?」
「うん。それで――……これ言っていいのかなあ。在義さんが話すの、待った方がいんじゃないの?」