朧咲夜ー真相ー【完】


吹雪も今の今まで知っていたその赤子と在義が繋がるとは思っていなかった。


話すのは、正直戸惑っている。


「……いや、話してくれないか?」
 

流夜は、一足飛びに知ることを選んだ。


……なら、話すけどね?


「嫡男が火をつけた理由だよ。彼が跡取りにと決まっていたのだけど、いきなり当主である父親が、妹の生んだ子を跡取りにすると言い出したかららしい」


「……妹の子?」


「うん。それを本家の跡取りにするなんて、つまりは妹の子ども父親は当主自身。兄妹の間に生まれた子どもだと言われている。

当主の提案は一族に受け容れらず、その赤子は忌まれた上に分家に養子に出された……」
 

急に、流夜の顔色が悪くなった。


……どうやら、流夜の方こそ今の話の赤子と在義を繋ぐ糸を持っているようだ。
 

全く正義のない、異端の刑事。


華取在義。


……それが、在義を在義たらしめたのか。

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