幾久しく、君を想って。
直ぐにでも仲良くなりたいらしい。
確かに人当たりの良い人ではあるけれど、そんなに簡単な問題じゃない。


「だけど…」と反論しそうになって唇を閉ざす。
松永さんの後ろから、林田さんが来るのが見えたからだ。


「ごめんね～、お待たせ～！」


元気のいい声を聞いて振り向いた彼を見て、林田さんはあら…という口元になった。
それから私の方を向いて、ニコニコとしながら目配せをした。


「……あの…松永さんです」


自分の隣に立つ人を先に紹介し、それから彼に林田さんを紹介した。


「林田さん…林田幸子（はやしだ ゆきこ）さんです」


「初めまして。松永和樹と言います」


丁寧に頭を下げるのは仕事柄の習慣なのか。

林田さんはその様子をしげしげと眺め、「やだ、本当にイケメンじゃないの」と興奮したように声のトーンを上げた。


「噂は宮ちゃんから聞いてます。これまで浮いた話の一つも無い人だったから嬉しくて」


会えて光栄です…と言い、何処かで落ち着いて話しませんか？と持ちかけた。


土曜日で人も多い。
何処で顔見知りに会うか分からないから、私達が行きつけのカフェに行こうということになった。


複合施設の三階にある落ち着いた雰囲気のカフェ。
コーヒーの種類も多くて、美味しいから気に入っている。


そこの一番奥のテーブル席を陣取り、林田さんは三人分の注文をして来ると言って席を離れた。


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