幾久しく、君を想って。
「君の人生最大の財産と仲良くなるにはどうしたらいいと思う?今のままだと、デートにも誘い難いような気がするんだけど」


「えっ?」


「だって、そうだろ?今の話だと拓海君と仲良くならない限り、先には進めないということなるだろう。
無理な行動をして彼の信用を失ってもいけないし、このまま進展なしというのも情けない。
俺は君のことが好きなのに、手も出せないで終わるのなんて嫌だ」


子供っぽい理由に唖然とする。
何も言えずに黙っていたら、彼がまた話を続けた。


「そうなると困るんだよ。俺はまだ真梨さんとキスしかしてないのに」


手料理だってもっと食べてみたいのに…と零される。

カレー味の肉じゃがも酢の物も、全部美味しそうに食べてくれたことを思い出した。


「今度は洋食が食べてみたいな。拓海君が大好きだと教えてくれたカレードリアとかがいいかもしれない」


「拓海が?そんなことを言ったの?」


「うん。俺が好きな食べ物教えて欲しいと言ったらそう答えた。生協のポテトフライも唐揚げも最高だと笑ってたけどね」


素直ないい子だ…と言われ、胸の中が苦しくなった。
感謝と言うか、やはり彼が優し過ぎて辛い。




「……松永さんは……優し過ぎる……」


泣きそうになるのを堪えていても、彼にはそれが分かるらしい。

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