幾久しく、君を想って。
「あの……いいですか?」


振り向いて問いかけると、彼は小さく頷く。

父がどうしたいのかは分からないけれど、ここは顔を立てておくべきだろう。



「とにかく入ろう」


松永さんはほやっとした笑みを浮かべると、私の背中をそっと押した。

促されるように足を進め、どうか余計なことを言い出されませんように…と願いつつ門扉を閉めた……。



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