最高の誕生日プレゼントをありがとう
誕生日プレゼント、何がいい?
「誕生日プレゼント、何がいい?」

「へ?」

仕事に集中していたわたし橘 あゆにそう質問したのは、この専務室の主である、海東 拓海専務まさに本人。

公私混同が大嫌いな専務がどうしたんだろう?

「急にどうしたんですか?」

困惑気味のわたしに、呆れたようにため息をもらす専務。

「気づいてないかもしれないが、就業時間はとっくに過ぎてるし、何回もあゆのこと呼んだんだけど」

「え!?」

慌てて腕時計に目を落とすと、確かに就業時間はだいぶ過ぎていた。

椅子から立ち上がり、コートを羽織った専務がチャリっと車のキーを掲げ、わたしに微笑みかける。

「今日一緒に飯行く約束してたよな?行くぞ」

「は、はい!待って下さい!」

ドアへと向かう背中に置いて行かれないよう、急いでコートとバックを手に専務を追いかけた。
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