イケメンエリート軍団の籠の中



「凪、今夜はお前の送別会をするから、空けとけよ」


映司が凪にそう言うと、凪は大きく手を横に振り、その上首も横に振った。


「悪い、もう先約あり。
送別会なんてそんなのいいから」


映司は困ったような顔をして、周りの皆を見た。

あれ…?

映司の目に入ってきたのは、さりげなく涙を拭う舞衣の姿だった。
映司はしばらく舞衣を見ていた。そして、交互に横目で凪を見る。凪はいたって普通に見えるが、舞衣の様子は明らかにおかしい。


「多分、俺達はいつものバーで飲んでるから、気が向いたら顔出して」


凪は映司の方を見る事なく、手だけを上げて返事をした。


トオルの話が終わり皆が解散し始めた頃、舞衣は溢れる涙を堪えられず女子部屋へ走った。
一人になった部屋で、何度も何度も自分に言い聞かす。

舞衣、泣いちゃダメ……
凪さんと約束したでしょ…
今日までは何も考えないで、凪さんとの時間を楽しもうって…

舞衣は鏡に映る自分を見て、何度もまばたきをした。

舞衣、頭の中を空っぽにして……
今夜までは笑顔で凪さんと過ごさなきゃ…
泣くのはその後…
考えるのもその後…

舞衣は大きく深呼吸をして、鏡に向かって最大級の笑顔を無理やり作った。






< 139 / 171 >

この作品をシェア

pagetop