イケメンエリート軍団の籠の中



舞衣は自分のデスクに座って、ソフィアからもらった資料にちゃんと目を通した。

舞衣のデスクから、この真っ白で清潔感に溢れたフロアが一望できる。
一望できると言いたいくらいに、まるでどこかの美しい景色を見るようなそんな素晴らしい眺めだった。

今はジャスティンの姿も見えない。
皆、自分のブースで仕事をしているのか、コンピューターを触る音や流暢な英語、日本語での会話の後の笑い声やさまざまな音や声が、かすかに舞衣の所へも届いた。

舞衣はもう一度、ジャスティンからもらったチームのメンバーのリスト表を開く。
トオルさんに映司さん、謙人さんにジャスティン、このメンバーは一流企業EOCで働く人間に見える。
身なりもきちんとしてるし、話し方や立ち振る舞いにも品の良さを感じた。

舞衣は一番下に書かれている伊東凪の名前を、無意識の内にマルで囲んだ。

伊東凪か……
不思議な人……
こんな一流企業にいる人には全く見えない。



でも、舞衣の第六感は明らかに凪が只者ではない事を悟っていた。










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