光ることを忘れた太陽。
1章
新学期
《咲希side》
ピリリリリリ……。
ピリリリリリ……。
朝のおとずれを示す音が鳴り響く。
フワフワと浮かぶ雲の上。
冷たい空気が肌に触れ、私は目を瞑る。
すると、途端に太陽の光が差し、暖かい風が吹き始めた。
そこにたたずむ私がいる。
あったかい。
ずっとこうしてたいな。
そんな思いとは裏腹に。
「そろそろ起きなさーい。学校遅刻するわよ」
いきなりママの声が聞こえてきた。
窓からは朝日が差し込む。
そうだね、学校行かなきゃ……。
学校……。
って、学校!?
今の、幻聴じゃないよね?
今日って学校なの!?
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