光ることを忘れた太陽。

そんな咲希に真実を告げたら……。


きっと、自分のことじゃないのに泣き出すから。


咲希は悪くないのに謝るから。



咲希は優しいから、きっとまた1人で背負い込む。


咲希にはもう辛い思いをさせたくない。


だから伝えられなかったんだ。



俺のせめてもの優しさとして、受け取ってくれよ。


咲希は俺のことなんて忘れて、幸せになってくれよ。


いつまでも引きずったりするなよ……。



俺だって、決心が揺らぐだろ?


咲希が俺を嫌いになっても構わない。


でも俺は、咲希の悲しむ姿なんて……そんなの見たくないんだ。




それを言い訳にして、咲希に最低なことを言った。


たとえそれが嘘の言葉だったとしても、俺は引き返せないことをしてしまった。



でも、咲希には笑っててほしい。


ずっと笑顔でいてほしいんだ。


咲希には涙なんて似合わねぇ。


笑顔が1番だから……。



だって咲希は、俺の太陽。


俺はそんな咲希を……好きになったから。
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