光ることを忘れた太陽。

俺達がわかり合うためには、まだ早かったんだ。


ちょっと背伸びしすぎたのかもな。



咲希に無理させて。俺のせいで傷つけて。その度に裏切って。


バカみてぇ。



好きなのに。


誰よりも咲希のことを想ってるのに。


この気持ちは交わらない。


こんな悲しいことってあるのかよ?




────俺と咲希が別れた背景にこんなことがあったなんて。


そんなの、誰も気づかなかっただろう。





俺の家は、母さん、父さん、兄ちゃん、俺の4人家族。


母さんは主婦、父さんは公務員だ。


兄ちゃんはとっくに成人してるけど、働いてはない。


その理由は……兄ちゃんは病気をもってるから。



小さいときから動くこともできず、自由に暮らすことなんてできなかった。


だから……その弟である俺も、自由になる権利なんかなかったんだ。


それなのに俺は、家族を突き放して咲希と過ごす時間を選んだ。


きっと、だからバチが当たったんだ。
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