光ることを忘れた太陽。

「尚……っ」


尚の前で泣いたりしちゃダメだよ。


泣いてる弱いところなんて見せられない。


見せちゃいけない。



だって、尚は優しいから……。


「ごめんな。俺が悪かった」


そう言って謝るから。



尚は何も悪くないのに、自分のことを責めるから。


尚の負担になってしまうから。


その優しさが私には辛いの。



忘れたいのに忘れられなくて。


いつまでも引きずって。


毎日涙が止まらなくて。



ふとしたときに尚のことばかり思い出して。


別れたのに、振られたのに、情けないよね。



尚は私のことなんて気にしてないし、友達友達とも思ってないかもしれないのに。


いつだって自分を守ることに必死で、誰の役にも立てないのに。


それなのに、隣にいる資格なんてない。
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