光ることを忘れた太陽。

「隼人って、光梨のこと好きなの?」


すると尚也はフッと笑い。



「気づかなかった?隼って何考えてるのかよくわかんないもんな」


そうだったんだ。


私が応援するって言った光梨の恋は、その前から叶ってたんだね。


それ聞いたら安心したよ。



私が安堵の息をつくと。


「それで、今日ってバレンタインだろ?」


そんなことを言い出すから、慌てて「うんっ」と返事をするしかなかった。



「だから……隼と井上を2人きりにして、告白しやすいようにしないか?」


そして、いきなりそんな提案をするから、驚いて息が詰まってしまった。



「告白……って、そんなことするの?」


「あぁ、うん」


「そっかぁ」と相槌をうちながら返すと、珍しく尚から頼みごとをされた。




「お願い……。俺、隼の恋を叶えてあげたいんだよ」


……尚もそんなこと、思うんだ。
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