光ることを忘れた太陽。


準備が終わったら、あとは家を出るだけ。


時計を見ながらソワソワと落ち着かない時間を過ごす。



今は7時30分。


俺が家を出るまで、あと10分だ。


わざわざ10分待つ理由は……咲希に会うため。



俺の家から咲希の家まではだいたい5分くらい。


そして、咲希が家を出るのは45分。


だから、運がいいときは一緒に学校へ行けたりするんだ。




咲希は知らないだろ?


俺がどれだけ咲希と過ごせる朝を楽しみにしてるか。



学校に着いてから、隣の席に咲希がいること。


こんな俺と6年間も一緒にいてくれたこと。


俺の気持ちに全然気づかないのがたまに傷だけど。



でも、そんな咲希だから一緒にいたい。


守ってあげたい。


そう思うんだ。
< 80 / 301 >

この作品をシェア

pagetop