溺愛妖狐ひろいました


私がプランを提案すると、すぐにそれならこの旅館がいいとか、これにはここがいいとか、すぐにピックアップして。
その上、今まで我が社としては使っていなかった老舗旅館の関係者とも繋がりがあることが分かったし。



うちの会社は、仲介的な業務もするけど、メインにしているのはツアーだ。
バスガイドがつく本格的なものから、簡易的なものまで幅広く扱っている。

仲介業務ではどこの旅館にもお客様の要望があれば予約を入れたりするけど、ツアーとして使うのは今までの功績とか旅館との関係とか融通がきかせてもらえる慣れ親しんだ旅館が多かった。

でも今回、イベントの目玉としてこれまで使った事のない新しい旅館の開拓まですることにしたのだ。



だからこそ、今回のこの接待は重要な役割をする。



「表情が硬い。考え過ぎんなって言ってるだろ」

「す、すみません」

「女の武器しっかり使えよ」

「え」

「笑ってろって言ってんだ」




笑ってろって言われても・・・。
そんな簡単じゃないよ。

だって、心臓の音、周りに聞こえてしまいそうなほどだもの。




< 123 / 380 >

この作品をシェア

pagetop