溺愛妖狐ひろいました
「亜子、なにしてるの。もう休み時間終わり」
「え、あ、ちょ、ちょっと、尊・・・?」
ギュッと締め付ける腕がいたくて。
尊、怒ってる・・・?
「ははは、ほんと、雨宮の周りは楽しくていいな」
「え、あ、先輩・・・っ」
「じゃ、尊くんの言うとおり休み時間は終わりだし、仕事に戻るかな」
爽やかに笑うと先輩はフロアに戻っていってしまった。
せっかく楽しく話せてたのに・・・。
「もう!尊!こんな風に抱きついてこないでっていつも言ってるでしょ!」
「あ、亜子・・・。ごめんなさい・・・」
シュンと肩を落とす。
前だって厳しく叱ったのに、結局わかってくれない。
こんな風に人前で抱きつかれるの、恥ずかしいってなんでわかってくれないの?
「亜子、ごめん・・・。おれ、亜子があの人といるの見たら・・・なんかモヤモヤして・・・」
「そんなの、言い訳にならないよ。私は嫌だってずっと言ってるのに、なんでわかってくれないの?」