溺愛妖狐ひろいました
「亜子、おかえり!」
なんとか、家につく前に落ち着かせ部屋に入ると、いつものように明るい尊が迎えてくれる。
それが今はとてもホッとする。
「亜子、なんかしんどい?」
「え?ううん。そんなことないよ。ちょっと疲れたのかな」
「・・・無理しないでね」
「うん。ありがとう」
心優しい尊。
それでも、人間への嫌悪感を忘れられない尊。
尊には、人間を好きになってほしい。
無理かもしれないけれど。
でも、少しでもわかってもらいたい。
「すぐご飯にするね」
「うん。おれ、お風呂の用意してくる!」
「ありがとう」
誰になんと言われようとも、尊との生活をやめられないのは。
私自身がこの生活を楽しいと思ってしまっているから。
手放せなく、なってるんだ。